高尾山ブログ 天狗のひとり言


「霊峰富士第四箇度登拝修行」⑤


7 月 31

7月5日(月)後編

「富士山十界修行」

 

 

 

 

 

    時計の針が正午を過ぎた頃、中ノ茶屋に到着。

    木陰を探してのお昼休みとなりました。出発前の多数決の結果

    昼食はおにぎりでした。この後、修行に入るとしばらく、飲み食い

    が出来ないのでしっかり食べておく様にと、たくさんのおにぎりと

    飲み物が用意されていました。多分、コンビニのおにぎりの棚は

    すっからかんになっていたと思われます。

    気力もお腹も満タンになった一行は六根清浄の掛け声と共に、

    歩き始めました。

    この頃には、歩くことに集中しつつも、木のざわ

    めき、風の音、鳥のさえずりを感じられる様になってました。あた

    かも、誰かが遠くでお経を唱えてるかの様に聞こえてきました。

    暑さにやられていたのかもしれませんが・・・。

    そうこうしている間に、路肩に大きな石が見えてきました。

    石の前に整列すると最初の修行が始まりました。

    業秤(地獄界)の修行です。「不動石」と名付けられたその石は、

    我々、修行者の過去の罪業の重さを量るとされ、石の重さと罪

    業の重さが等しいとのことです。

    皆様の期待どおり、石は1ミリも動きませんでした。まさに不動

    石、持ち上げられないまでも、少しくらいは揺すれるんじゃないか

    なんていう愚かな考えは軽々と跳ね返され、自分のバカさ加減と

    罪業の重さに猛省させられました。その後、先達に教わり、皆で

    唱えた御宝号はヘコんだ心に響きました。

    十界修行という事は、どんな修行があと9回あるのでしょう・・・。

    馬返しにて休息。暑くても水は飲めません。ここからやっとお馴染

    の富士山何合目と道標が出てきます。まずは、一合目を目指しま

    す。

    一合目の鈴原社にて穀断(餓鬼界)の修行を、二合目の御室浅間社

    にて水断(畜生界)の修行を行いました。

    穀断・水断は、字の通り、一切の穀物・水を断ち、餓鬼の貪る心、

    畜生の愚痴の心根を断つ修行です。中ノ茶屋から飲まず食わずで

    歩いてきて、食べ物・飲み物の有難さを感じつつ、御宝号をお唱え

    しました。手持ちの菓子や水を餓鬼や鳥獣に分け与え、また同行

    のメンバーにもお分けし、逆に頂いたりして、欲張らず、貪らずに分

    かち合っての修行となりました。自分が一口我慢することは、他の

    人に一口分行き渡るのですね。

    高尾山の稲荷山コースなどもそうですが、この辺りでは同じ様な道

    を繰り返し、繰り返し歩きます。曲がる度に今歩いてきたのと同じ景

    が出てきます。そんな思いを見透かされていたかのように、急遽、

    道から外れ、山林へ入りました。十界修行・相撲(修羅界)の土俵で

    した。相撲といっても皆様が想像する様な、「のこった・のこった」の

    お相撲ではなく、金剛杖を使用した押し合い圧し合いでした。

    最初は相手を押し倒そうとか引き倒そうと思いながら勝敗を意識し

    ていましたが、相手の顔を見ながら相撲を取ってると不思議と相

    手に合わせてバランスを取るようになっていました。相手が前に倒

    れそうなら押してあげ、後ろに倒れそうなら引いてあげといった具

    合に。まさに闘争心を滅する修行でした。

    三合目・四合目の大黒天と法楽。

    四合五勺の御座石浅間社に到着。懺悔(人間界)の修行です。

    五体投地し自らの犯した罪を懺悔しました。

    いよいよ残すは、五合目までの道のりです。

    五合目の道標はすぐに出てきました。しかし、そこから、本日

    の宿である佐藤小屋がなかなか見えてこない。ひっぱります

    五合目。階段をのぼりながらふと見上げた先に疲れを吹き飛

    ばす笑顔が迎えてくれました。

    本日お世話になる、佐藤小屋にて、ご挨拶と法楽。  

    五合目は人間界と天界の境だそうです。いよいよ本日最後の

    修行である、延年(天界)です。

    延年は寿命を延ばす意味で、地獄や餓鬼などの苦しみより解

    脱して大慈大悲の心を生じ、喜びを表す修行です。

    「いやませどしーっ」と叫びながら万歳を繰り返しました。

    最初は照れもありましたが、何度も繰り返すうちに、なんともい

    えない満足感・喜悦感につつまれました。

    後ろを振り返れば、雲の間から、八ヶ岳や山中湖がみえました。

    ここまでのご褒美なのか、山小屋がなんと貸切状態でした。

    想像以上の広いスペースで眠ることができ、すっかり疲れを

    癒すことができました。

    いよいよ、明日は八合目を目指します。

 

    本日の歩数:24130歩   合計:117449歩

 

   次回「十界修行成満」へつづく

    

    

    

    

    

    

    

 

    

    




こどもやまぶし修行体験会


7 月 26

2010年7月25日(日)

 

 

 

 

 

    朝から厳しい日差しが照りつけるこの日、今年で7年目となる

 

    「こどもやまぶし修行体験会」が行われました。

 

    ぞくぞくと子供達が集まり、95名の参加者と14名の先達の山伏が、

 

    法螺貝の合図で薬王院へ向け出発した。

 

 

 

 

     琵琶滝にて滝行を経験し、薬王院までの山道を登りきった

 

     子供達は、おいしそうにアイスクリームを食べていました。

 

 

     厨房でつくった「精進カレー」をお昼御飯としてご用意。

 

     大きな鍋で作ったカレーはとってもおいしい味になります。

     (もちろん甘口です。)

 

 

     食事後は、好きな色の珠を選んで、世界でたった一つの腕念珠を作る

 

     体験をしました。

 

     一つは自分のために・・・もう一つは自分があげたい人のために

 

     一生懸命作っていました。

 

 

     薬王院の本坊を出て、柴燈護摩道場へ向かう子供達を出迎える

 

     御導師。帽子をとって「こんにちは」と大きな声で挨拶しました。

 

 

 

    子供達は道場の外にて参列。護摩壇に点火されると、やがて

 

    あたりは紫煙で覆いつくされ厳かな雰囲気に包まれた。

 

 

 

    子供達は、道場の中に順番に入ると自分でつくった腕念珠を護摩壇に

 

    かざし浄化、パワーを入れて持ち帰る。

 

 

    今回参加された子供達は、小学1年生~6年生。指導に当たった山伏から

 

    お迎えの保護者の皆様へ報告と感想が述べられた後、子供達一人一人に

 

    終了証が渡された。まだ始まったばかりの夏休みのひと時を、高尾山で過

 

    ごした子供達は、たくましくなって元気に帰っていった。

 

 

    人生の道しるべ

 

 

    耳の痛いことを言ってくれるのが 本当の友




「霊峰富士第四箇度登拝修行」④


7 月 22

7月5日(月)前編

「いざ富士山」

富士吉田 大国屋から富士山5合目

 

 

 

    東京タワーと富士山には登るもんじゃない。

    と根拠もなく思い込んでいた自分がなんと富士山を前にしています。

    いよいよ富士山です。2日間の練行で脚はしっかり出来ています。

    心配なのは、高山病とお天気。

    朝8時、大国屋を出立。お天気は雲が多いが暑い。残念ながら、都合によ

    り、昨日で自分の職場へ戻られてしまった方もいたのですが、都合により、

    富士山からの参加の方もいて、一緒に歩くメンバーも増えました。

    しばらく歩くと、北口本宮冨士浅間神社が見えてきました。

    鳥居をくぐると、街の喧騒から離れ、まったくの別世界の様でした。

    茅の輪をくぐり、本殿に向かって法楽させていただくと、ついに富士山へ

    足を踏み入れてしまったのだと感慨深いものでした。明後日には、皆、

    無事に修行を終え、この場に戻って来られるよう祈願しました。

    本殿の脇を通り抜けると、緑の木々に囲まれた道を歩きました。

    この辺りではまだ、鳥の声もきこえてきます。

    ところで、今回の富士登拝修行は富士山に登り、ご来光を拝む目的の

    他に胎内修行、富士山十界修行も目的としています。

    まず、初めに、胎内修行を行うべく、吉田胎内・胎内神社を目指しました。

    吉田胎内は樹型の洞窟で、溶岩にのみ込まれた樹木が熱で燃え、中に

    木の形のまま空洞が出来たとの事でした。内側は鍾乳石や肋骨の様な

    溶岩の跡が人体を思わせ、まさに胎内にいるようです。

    2組に分かれて胎内神社正面の洞窟を見学した後、場所を移動し、入り

    口の狭い、別の洞窟へとやってきました。屈んですべり下りた先には、メ

    ンバー全員がぎりぎり入れる位の空間がありました。全員のライトを消し

    真暗闇の中、ひんやりとした空気をふるわせ、法楽いたしました。とても、神

    秘的な時間でした。

    法楽後、来た道とは別の横穴を抜け、まさに産道のような参道を這い上

    がりながら地上を目指しました。それは、仏様の胎内から出胎し仏の子

    として仏道を歩む覚悟を決める修行のようでした。

    ひんやりした洞窟から出ると外の蒸し暑さは倍にも感じ、富士の樹海も

    ジャングルのようでした。

    生まれ変わった修行者一行は中ノ茶屋を目指しました。

    次回7月5日(月)後編「富士山十界修行」へつづく    

    

 

    

    

    




声明と精進料理の集い開催


7 月 22

2010年7月17日(土)・18日(日) 

 

 

 

 

    当山で「精進料理の集い」と題しまして、四季に合わせて

 

    特別精進料理を企画しております。

 
    今回は豊かな自然に囲まれた薬王院の大本坊で、

 

    声明を聞き、旬の食材を生かした精進料理をご賞味

 

    いただくために大勢のご参加をいただきました。

 

 

 

  

    声明の舞台となった大本坊有喜閣広間。

 

    照明が消され、灯明の光で皆様をお招きいたしました。

 

 

   

 

    静かにはじまった声明は真言や経文に節をつけ、

 

    唱える仏教儀式の古典音楽です。 

 

 

 

 

    声明の中で、御本尊・飯縄大権現様、並びに大天狗小天狗の散華

 

    まき歌唱する。

 

    散華とは法要を厳修する際に、仏様を供養するために花や葉を撒き

 

    散らします。散華を行うのは、華の芳香によって悪い鬼神などを退

 

    却させ、道場を清めて仏を迎えるためとされているからです

 

 

 

    今回の声明は

        奠供(てんぐ)・・・・・・・・・仏様をたたえる法要の最初に、お供物を供

                       える時にお唱えする声明です。

        理趣経(りしゅきょう)・・・真言密教でよく用いられるお経で、人間は、

                       本来、仏様の様に清浄で、心を清浄に保っ

                       て、世の中をみれば悉く、皆清浄であると

                       説いているお経です。

        不動讃(ふどうさん)・・・衆生のために労働三昧に入り、犠牲的、献

                      身的、そして勇猛なる精神をもって衆生を済

                      度せんとする誓願を立て私たち衆生を導いて

                      くれる不動明王の功徳を賞賛する声明です。

 

                                        の3巻でした。

 

    長いものでは7~8時間もの間、唱えつづけるものもあるそうです。

 

                   

 

    法話の中で声明を説明し、今日ここに参加いただきました

 

    皆様に感謝を伝え、解りやすく丁寧にお話されました。

 

 

   

     味や献立だけでなく、作法や考え方にも寺院ごとに特色がある精進料理。

 

 

     仏教を知る入り口のひとつとして、一度召し上がってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

          人生の道しるべ 

 

 

     度量の広い人でありたい




「霊峰富士第四箇度登拝修行」③


7 月 19

7月4日(土)

「目指せ富士吉田」

秋山村から富士吉田 大国屋まで

 

 

 

 

    今日は、昨日の遅れを取り戻すべく予定より一時間早めの出立となりました。

    お世話になった中央館の方にお礼のご挨拶と法楽。

    早朝の練行は暑さもあまり感じられず快適なもので、秋山郵便局付近での朝食

    の時間まであっというまでした。

    だんだん気温も上がってきて、むし暑さを感じはじめたころ、雛鶴神社に到着。

    雛鶴神社で法楽・回向後、車の往来の多い道を避け、山道に入りました。

    うっそうとした木々に囲まれ、草をかき分け、苔で滑る丸太橋を渡って歩いた

    道はまるで、昔にタイムスリップした様な感覚を覚えました(昔を知りませんが…)

    再び、国道に戻り、新雛鶴トンネルを通過。トンネルの中は思ったよりも暗くて、

    あまりの暗さに目の前を歩く人が本当に頼りとなりました。トンネル内から響く

    法螺貝と六根清浄の掛け声、そして薄暗い中に白装束の山伏達、車で通り掛か

    った方はさぞ驚かれたことと思います。

    トンネルを抜けた先ではリニアモーターカーの線路が一直線に伸びていました。

    リニアモーターカーが完成すれば、我々が今、歩いている道のりなんて、ほんの

    何十分で移動してしまうんだろうと虚しくなりました。便利になって、時間を節約

    出来る事で、逆に、沿道の人たちに声を掛けてもらったり、食事をご馳走になっ

    たり、同じ目的を持った仲間(と言うとおこがましいのですが…)とのふれあい

    など心の温まる出来事は失われてしまうのだと思います。

    都留市内に入り石船神社で法楽後休憩。いよいよ暑さも本番となってきました。

    都留市内は高速の高架下を歩き、I.Cの先にある高尾神社で法楽後昼食とな

    りました。汗をかいているためか、お味噌汁がやたら美味しかったです。

    この頃には、皆、膝、足裏のまめ、股ずれなど痛んできてたと思います。

    時間もおしてきましたので、法楽をせず、お参りだけで通過した所もありました。

    「今日は何時になろうとも、目的地の富士吉田まで歩き続けるしかないね」と

    言ってると、都留市の西桂付近でまさかの雨。それも結構な降りでした。

    火照った足袋の中には、気持ちの良い雨でしたが、カッパを着ると蒸し暑いし

    とで有難いような有難くないような雨でした。

    雨が上がった頃には、一行は富士吉田市に入っていました。民家の表札や

    電柱の看板に富士吉田市○○と書いてあるのをみると、うれしくなりました。

    富士吉田に入ると富士山の麓ということもあってなだらかな坂道でした。

    最後の休憩場所では、富士山からの参加となるメンバーがお出迎えして

    くれました。ホッとするとともにあと一息がんばる気力をいただきました。

    小室浅間社に到着。列を整え、旗をたて法楽。そのまま市街を法螺貝を

    たてながら歩き本日の宿泊先である大国屋に到着となりました。

    若干の遅れはあったものの、無事2日目の練行を終えることができました。

    結局、歩いている間に富士山を拝むことが出来なかったのが残念でした。

    本日の歩数:52890歩  計93319歩

    次回「いざ富士山」へつづく

    

    

    

    

   

 

    

     




「霊峰富士第四箇度登拝修行」②


7 月 13

7月3日(土)

薬王院から秋山村中央館へ

 

 

 

    本日よりいよいよ富士山へ向け出発です。

    早朝4時30分より本堂にてお勤めの後、浅間社にて法楽。

    御貫首をはじめ、山内の僧侶・職員に見送られての発足となりました。

    歩き初めて間もなく髙尾山山頂の大見晴らしにて富士山に向かって法楽,

    残念ながらそのお姿を拝むことは出来ませんでした。

    六根清浄の掛声とともに一丁平・城山と順調に過ぎて行きました。

    城山の休憩の折には、「六根清浄とは、お山を仏様とみなし、そこで、今まで

    自らの六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)で犯した罪を慚愧・懺悔し、呼吸や汗などを

    通して、清らかにする修行なんだよ、だから修行はお山を下りても続くんだよ」

    といったお話をいただき、ただ歩くだけではなく有意義な修行にしなければと

    思ったしだいです。

    木の根に気をつけながら進んだ山道も終わり、麓の善勝寺様の一室をかり

    朝食となりました。お腹がすくのも忘れて歩いていたようです。

    ここからは、アスファルトで舗装され、木陰のない道を歩きます。

    車の多い大通りはなるべくさけ、裏道を歩いての行程となりました。

    相模湖を渡り、日連神社をこえて行くと髙尾山の職員さんがご家族と共に

    待っていました。心温まるおもてなしと冷たいタオルでご接待いただきました。

    お蔭様で午後も頑張って歩こうと元気をいだだきました。

 

    午後はひたすらアスファルトの坂を上ったり、下ったりでした。歩けば歩く程、

    足袋の中の足は火照り、みるみる疲労がたまるのがわかりました。

    やっとの思いで、本日の宿泊先、中央館に到着。本日の目標である

    雛鶴神社までは、疲労と天候の悪化でたどり着けませんでしたが、なんとか

    無事に、初日の修行を終えることが出来ました。緊張の初日を終えた安堵感

    と明日以降の不安でいっぱいの夜となりました。

 

    本日の歩数:40429歩

    次回、「目指せ富士吉田」へつづく




「霊峰富士第四箇度登拝修行」


7 月 10

2010年7月2日(金) 

 富士登拝修行前行

 

   

 

 

        翌日からの富士登拝に備え、修行者一行は、まず蛇滝へとむかいました。

    滝の迫力に驚きましたが、それ以上に諸先輩方の水行に圧倒されたので

    ありました。

    

    おそるおそる水行に参加させていただくと痛さ・冷たさなどは感じている余裕もなく

    ただ、ひたすら「南無 青龍大権現」とお唱えするのがやっとでした。

    滝から出た後の爽快感と充実感は翌日からの富士登拝への不安を吹き飛ばして

    くれました。

    続いて、不動院にて法楽後、一行は柴燈護摩を行う為に祈祷殿にむかいました。

 

 

    柴燈護摩の炎とけむりはとても高く舞い上がり、その熱気はこれからの修行の覚

    悟を試されているようでした。代参のお札のお加持を終えると自分達は皆様の代

    表として登拝へ行くのだと身が引き締まる思いでした。               

 

   

    いったん不動院で休憩の後、遠雷の中、高尾山中の金毘羅堂・神変堂・本堂等

    と法楽しながら本日の宿泊場所となる薬王院を目指しました。

    薬王院では、夕食をとりながら、明朝から共に歩くメンバーとの親睦を深めました。

 

   いよいよ明日から富士山へ向け出発です。